いかに、ラグビーではアップセットが起こらないか
『日本、アイルランド戦に勝利!』のニュースの興奮が冷めないが、開幕から9日経った現時点(9月29日夕方)での状況を整理してみよう。
現在まで行われたのは、予選プール40戦のうち16戦。
そのうち、アップセットが起ったのはたったの2戦。これだけ、激戦、盛り上がる戦いが続いているというのにだ。
いかに、ラグビーという競技で、アップセットが起こりいくいかを物語っている。
その2戦中1戦は、もちろんアイルランドを倒した日本。ランキング2位のアイルランドを10位の日本が倒した。これほどのアップセットは、ワールドカップではまず起こらないといっていい。
ちなみに、2015年の南アフリカを日本が倒した時のランキングはそれぞれ3位と13位。しかし、あの時は、南アは32年間で1勝しか挙げていない日本を明らかに甘くみて、メンバーを落として来ていたし、油断があった。今回は油断のないフルメンバーのアイルランドを力でねじ伏せたのだから、『ブライトンの奇跡』より『シズオカの衝撃』の方が、驚きだといっていい。
もうひとつのアップセットは、釜石の鵜住居でウルグアイがフィジーを破った。戦い。フィジカルで優位なフィジーを、綿密に用意してきた無名国のウルグアイが破った戦いだった。
「特別な場所で、特別な出来事が起こりました」という藤島大さんのコメントが、深く染み入った戦いだった。
起こりそうで、起こらなかったアップセット
これら2戦は大きくランキングの離れた国同士のビッグアップセットだったが、逆にフランスvsアルゼンチンについては、ジャガーズでスーパーラグビーに参戦し、世界ランキング以上の実力を持つアルゼンチンが勝つ可能性が高いのではないかと思っていたが、逆転に次ぐ逆転の末、フランスが23-21で勝利を収めた。
決勝リーグに残る8チーム、異変が起こすとしたら、アルゼンチンかと思ったが、現時点では日本が意見を起す可能性の方が高そうだ。
……などと、書いている現時点でも、ウェールズをオーストラリアが猛追している(67分時点で26-25)。これも実力伯仲ではあるが、オーストラリアが勝てばアップセット。
ワールドカップはまだまだ面白そうだ。
※ワールドラグビーランキングは、開幕してからも刻一刻と変わっているが、本記事では9月4日時点でのものに基づいて執筆した。
(村上タクタ)